2025年7月
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銀歯の下で起きているかもしれないこと
虫歯治療で入れた銀歯。何年も前に治療したものが、ある日突然ズキズキと痛み出し、夜も眠れないほどの激痛に襲われることがあります。見た目には何の問題もなさそうなのに、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。その原因は、銀歯の下、つまり歯の内部で静かに進行しているトラブルにある可能性が高いです。一つの原因として考えられるのが「二次カリエス(二次虫歯)」です。銀歯は歯にセメントで接着されていますが、長い年月が経つと、そのセメントが劣化したり、わずかな隙間ができたりすることがあります。その隙間から虫歯菌が侵入し、銀歯の下で新たに虫歯が進行してしまうのです。外からは見えないため発見が遅れやすく、気づいた時には虫歯が歯の神経(歯髄)にまで達し、激しい痛みを引き起こすことがあります。また、治療の時点で虫歯がすでに神経の近くまで達していた場合、治療の刺激によって神経がダメージを受け、時間をおいてから炎症(歯髄炎)を起こすこともあります。この場合も、ズキズキとした強い痛みとして現れます。さらに、神経の治療(根管治療)を終えた歯が痛む場合は、根の先に再び細菌が感染し、膿の袋を作っている「根尖性歯周炎」の可能性も考えられます。この状態になると、噛んだ時の痛みや、歯茎の腫れを伴うこともあります。いずれのケースも、銀歯を一度外して、内部の状態を確認し、再治療を行う必要があります。治療した歯だからと安心せず、もしズキズキとした痛みや、噛んだ時の違和感、冷たいものや熱いものがしみるといった症状が現れたら、それは歯の内部からのSOSサインです。放置すればするほど治療は複雑になります。早めに歯科医院を受診しましょう。