歯医者に関する驚きの科学

2026年1月
  • 歯にひびが入って突然痛むことがある?

    知識

    硬いものを噛んだ瞬間、奥歯にピキッという感覚と共に、これまで感じたことのない鋭い痛みが走る。その後、特定の角度で噛むたびに、同じ場所に電気が走るような痛みが再現される。もし、こんな症状に心当たりがあるなら、それは歯にひびが入る「歯根破折」や「マイクロクラック」が原因かもしれません。歯は人体で最も硬い組織ですが、強い力が加われば割れたりひびが入ったりします。特に、神経を抜いた歯(失活歯)は、血液供給がなくなるため、枯れ木のようにもろく、脆くなっています。そのため、健康な歯なら耐えられるような力でも、ひびが入ってしまうリスクが高まります。また、神経が生きている歯(生活歯)であっても、歯ぎしりや食いしばりの癖が強い人、あるいは事故で顔をぶつけた場合などにも、歯に亀裂が生じることがあります。このひびは、レントゲンにも写らないほど微細なものであることが多く、診断が非常に難しいのが特徴です。ひびが入っていると、食べ物を噛んだ時に、割れた部分がわずかにずれたり、たわんだりします。この動きが歯の内部にある神経を直接刺激するため、一瞬の鋭い痛みとして感じられるのです。そして、噛むのをやめて力が解放される際にも、ずれた部分が元に戻ることで再び神経を刺激し、痛むことがあります。この「噛んだ時と離した時に痛む」というのが、歯のひび割れに特徴的な症状です。この状態を放置すると、ひびの隙間から細菌が侵入し、歯の神経が炎症を起こしたり、歯の根の周りの骨を溶かしたりする原因となります。最終的には、ひびが拡大して歯が完全に割れてしまい、抜歯せざるを得なくなることも少なくありません。虫歯でもないのに噛むと急に痛む、という場合は、この歯のひび割れの可能性を疑い、マイクロスコープなどの精密な検査ができる歯科医院で診てもらうことを強くお勧めします。