手軽に始められる口内ケアとして人気の重曹うがいですが、その効果を正しく得るためには、いくつかの重要な注意点を守る必要があります。良かれと思ってやったことが、かえって口内環境を損なうことにならないよう、正しい知識を身につけておきましょう。まず最も大切なのが、重曹の濃度です。濃度が高すぎると、口の中の粘膜を刺激してしまったり、歯のエナメル質を傷つけてしまったりする可能性があります。推奨される濃度は、コップ一杯（約二百ミリリットル）の水に対して、小さじ半分（約三グラム）程度の重曹です。これ以上濃くしても効果が高まるわけではなく、むしろリスクが増えるだけなので、必ず適量を守るようにしてください。次に、使用する重曹の種類です。うがいに使用する際は、必ず「食用」または「食品添加物」と記載されたグレードのものを選びましょう。掃除用や工業用の重曹には、不純物が含まれている可能性があり、口に入れるのには適していません。安全性を第一に考え、パッケージの表示をよく確認することが重要です。また、重曹うがいを行う頻度にも注意が必要です。そのアルカリ性の力で口内を中和する効果は高いですが、やりすぎると口の中の常在菌のバランスを崩してしまう恐れがあります。基本的には、一日一回から二回程度、特に口の中が酸性に傾きやすい食後や就寝前に行うのが効果的です。毎回の歯磨きのたびに必ず行う必要はありません。そして、重曹うがいはあくまで歯磨きを補助するケアであるということを忘れてはいけません。重曹うがいだけで歯の表面に付着したプラーク（歯垢）を完全に取り除くことは不可能です。日々の丁寧なブラッシングが基本にあってこそ、重曹うがいの効果が活かされるのです。これらの注意点を守り、賢く重曹うがいを日々の習慣に取り入れていきましょう。