重曹うがいと聞くと、主に虫歯や口臭の予防といった口内ケアをイメージする方が多いでしょう。しかし、一部では風邪のひきはじめや喉のイガイガとした不快感に対しても、重曹うがいが良いという話を聞くことがあります。これは果たして本当なのでしょうか。その効果と注意点について考えてみたいと思います。喉の痛みや不快感の多くは、ウイルスや細菌の感染による炎症が原因です。重曹うがいが喉に良いとされる理由の一つは、その穏やかな洗浄効果と粘液の溶解作用にあると考えられています。重曹を溶かした水でうがいをすることで、喉に絡みついた粘っこい痰や粘液を洗い流しやすくなり、不快感を和らげる効果が期待できるというものです。また、重曹の弱アルカリ性が、炎症を起こしている粘膜の環境を変化させ、ウイルスの活動をわずかに抑制するのではないか、という説もあります。実際に、風邪の初期症状である喉の違和感を感じた時に重曹うがいを試したところ、スッキリとして楽になったという声も聞かれます。しかし、ここで明確にしておかなければならないのは、重曹うがいに医学的に証明された殺菌作用や抗ウイルス作用はないということです。あくまで対症療法的な、不快感を和らげるための補助的なケアと捉えるべきです。もし喉の痛みが強い場合や、発熱などの他の症状を伴う場合は、自己判断で重曹うがいに頼るのではなく、必ず医療機関を受診し、医師の診断を仰ぐ必要があります。使用する際も、口内ケアと同様に、濃度を守ることが大切です。濃度の高すぎる重曹水は、デリケートな喉の粘膜をかえって傷つけてしまう恐れがあります。コップ一杯の水に小さじ半分程度という基本の量を守り、優しくうがいをすることが肝心です。喉の軽い不快感に対する一つの選択肢として試すのは良いかもしれませんが、過度な期待はせず、適切な医療と併用することが重要です。
喉の不快感にも重曹うがいは使えるか