昔から「喉が痛い時には、はちみつ生姜湯が良い」と言われますが、それは、単なる気休めや、おばあちゃんの知恵袋なのでしょうか。いいえ、実は、これらの伝統的な飲み物に含まれる成分には、科学的にも、その効果が裏付けられつつある、素晴らしいパワーが秘められているのです。ここでは、喉に良いとされる代表的な成分の、真実に迫ります。**【はちみつ:天然の抗菌・抗炎症薬】はちみつが喉に良いとされる最大の理由は、その強力な「抗菌作用」にあります。はちみつには、グルコースオキシダーゼという酵素が含まれており、これが水分と反応することで、殺菌作用のある過酸化水素を生成します。また、糖度が高く、水分活性が低いことから、細菌が繁殖しにくい環境を作る効果もあります。特に、ニュージーランド産のマヌカハニーに含まれる「メチルグリオキサール」という成分は、非常に強い抗菌活性を持つことで知られています。さらに、はちみつには、炎症を引き起こす物質の産生を抑える「抗炎症作用」や、粘性の高さから、喉の粘膜をコーティングして、乾燥や刺激から保護する「保湿・鎮静効果」も期待できます。【生姜:体を温める血行促進剤】生姜の辛味成分である「ジンゲロール」と、それを加熱することで生まれる「ショウガオール」は、喉の痛みの強力な味方です。これらの成分には、体の血行を促進し、深部から温める作用があります。体温が上がることで、免疫細胞が活性化し、ウイルスや細菌と戦う力が高まります。また、ジンゲロールやショウガオール自体にも、炎症や痛みを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑制する、優れた「抗炎症作用」と「鎮痛作用」があることが、研究で示されています。【緑茶:ウイルスの活動を抑えるカテキン】**緑茶の渋み成分である「カテキン」は、ポリフェノールの一種で、様々な健康効果が報告されています。喉の痛みに関しては、その「殺菌・抗ウイルス作用」が、特に注目されます。カテキンは、インフルエンザウイルスなどの表面に付着し、細胞への感染能力を奪う働きがあることがわかっています。これにより、喉の粘膜でウイルスが増殖するのを、防ぐ効果が期待できるのです。緑茶でうがいをすることが、風邪予防に有効とされるのは、このためです。このように、私たちが昔から頼りにしてきた飲み物には、先人たちの経験則だけでなく、科学的な裏付けのある、確かな力が宿っているのです。
なぜ効くの?はちみつ、生姜、緑茶…喉に良い成分の真実